袴着崩れボランティアをした際、小学生のお子様がトイレに行く時、どうしたらよいか不安そうに質問されてきました。
袴のほとんどは、ロングスカート・マキシスカートと形状は同じなので、袴姿でのトイレの行き方は意外と簡単なのです。
そうは言ってもなかなか他人様には聞きずらい事柄ですよね。
着物でのトイレ時、当方が考える、あると便利なグッズは
- 紐1本
- クリップ数個
- ヘアゴム、シュシュなど1つ
- 和装用下着orローライズショーツ
もしも事前準備可能なら、準備されておくことをお勧めします。
さて、聞きずらい事柄は、さらっと読める内容にしておこうと、ちょっとトイレでの着物さばきをまとめてみました。
袴や着物時のトイレは、以下のようなご提案です。
1)襟元にハンカチを巻く
ハンカチやバンダナを三角に畳んだものを襟元に巻き、フェイスラインを保護されてください。この時点では、トイレの便器の蓋は閉めたままにしておきましょう。
2)クリップを用意する
着物用ピンチは着物でのお出かけ時に、あると重宝します。帯揚げの下のすきまに忍ばせておきましょう。トイレ時は、クリップを胸元か帯に一度全部挟んで、いつでも付けやすいように準備します。
3)袖をクリップまたはゴム、シュシュでまとめる
袖(そで)の袂(たもと・袖の下側の端のこと)を持って、帯の部分でクリップに挟んで止めます。両袖を合わせて、ヘアゴムなどで中央で一つにまとめてもOK。クリップ類がない場合は、片袖ずつを帯に止めます。振袖のように長い袖の場合には、三つ折り程度に折ってまとめましょう。
4)裾を分けて持つ
着物の裾(すそ)の部分を、自分から見て左側(上前)→右側(下前)の順に一枚ずつめくって、左右の手に分けて持ちます。上から順に「振袖(着物)の左右」→「長襦袢(ながじゅばん)の左右」→「裾よけ(すそよけ)の左右」という順番です。
5)筒状にめくってクリップで止める
両手の裾を持ち上げ、着物を筒状に裏返すようにめくります。体の前で左側(上前)・右側(下前)をそれぞれ帯(もしくは胸元)の部分でクリップではさみ、止めておきましょう。
6)さらに着物をめくって腕で挟む
ここで閉じていた便器の蓋を開けます。裾をさらに両手で裏返すように腰のあたりまでめくり、両腕の脇に挟みます。トイレで全部捲り上げたら、その上から紐で一回りくくっておくと安心です。
7)腰掛けて下着をおろす
便器に浅く腰掛けて、両脇を動かさないように固定したまま下着を下ろします。位置が固定できたら、用を足します。トイレが狭かったり、帯がどうしてもタンクや、便器に触れてしまうような時は、あえて、いつもとは逆向きに腰掛けます。大丈夫、誰も見ていません。
8)フタを締めてから洗浄
用を足したら必ず便器の蓋を締めて、水を流します。蓋を開けたままだと水ハネが起きる恐れがありますので、要注意。
9)裾を元に戻す
クリップで止めておいた裾を外して、両手に持ち替えます。先程の反対で、「裾よけ」→「長襦袢」→「振袖(着物)」の順番に裾を下ろします。
10)手を洗う
袖と襟元のハンカチはそのままにして個室を出て、手を洗います。手を洗う際にも水ハネが起きやすいので、不安な場合には袖をさらに後ろ側にクリップでまとめましょう。
慣れない事を行うのって、やっぱり不安ですよね。でも、大丈夫。実際に経験すると、大したことではありませんので、どうぞご安心下さいませ。
事前準備が可能ならとお伝えしました和装下着と、ローライズショーツですが、これは着崩れを防ぐ目的でお役立ちです。
ウエストまでゴムが来るタイプのショーツだと、下着の上げ下ろしのために着物をおヘソの辺り迄あげなければなりません。要である腰紐がずれて、トイレ後に着物が着崩れる恐れがあります。
ただ、あまり難しくお考えにならず、ショーツは腰骨程度にゴムが来るものを、がお勧めです。
着物でのトイレ時、お役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。