『明日卒業式で袴を着るのですが、倒れないか心配です。。』

袴姿でも安心!貧血・立ちくらみを防ぐ方法

卒業式に袴を着る予定ですが、「貧血にならないか心配…」という方もいるかもしれません。特に「袴は胸の締め付けが強く、貧血になりやすい」と聞くと、不安になりますよね。

 寝不足、緊張、紐がきついかも…いや着物はこんなものかも?という不安、トイレに行きたくないと水分を我慢して脱水、着物はきついから敢て朝食ぬいてみた、日々の疲れ、着付けも先生の話も長くて立ちっぱなしで足が痛い…、様々かと存じますが、些細な要因でも貧血や立ち眩み、気持ち悪さにつながる事もございます。

可能であれば回避したく、下記全力で綴ります。


袴で貧血にならないために

お着物での貧血の主な原因は、以下のような要因が重なることによるものです。

1. 寝不足・緊張

卒業式が楽しみで興奮したり、緊張したりすると、夜更かしになりがちです。寝不足は貧血だけでなくあらゆる体調不良の原因になります。そしてお着付中は20~30分程度立ちっぱなしで体力を使うため、普段以上に体調を整えて臨みたいところです。また卒業式当日は着付けの予約時間によって早朝からの活動となることもあるかもしれません。前日は早めの就寝を心がけましょう。

2. 締め付けによる血流の悪化

袴の帯や紐の締め付けが強すぎると、血流が悪くなり、立ちくらみの原因につながることもございます。お着付けの際は、次のポイントを意識しましょう。

  • 胴回りにタオルを巻いて、帯の締め付けを調整してもらう:体感的締まり具合を軽くしてもらいましょう。
  • 着付け師さんに「立ちくらみしやすい」と伝える:「苦しい時は苦しいと、しっかり意思表示をする」これが他人様に着付けて貰う際、苦しくならない為の最大の対策です。
  • 紐の結び目を正面に作らないようお願いする:紐の結び目を体の中心に作ってしまうと、みぞおちや胃を圧迫して苦しさや不快感が伴い易いです。
  • 胸元の紐を結ぶとき、大きく息を吸ってから締めてもらう:胸に紐をかけてもらうときに大きく息を吸い込んで胸をめいっぱい広げ、その状態で締めてもらいましょう。「少し待ってください」と声をかけて息を吸い、「いまお願いします」というような流れで紐を結んでもらいます。こうすると深呼吸ができなくなることがありません。
  • お着付時 しっかり呼吸する:着せてもらっているとお着付側に息をかけては悪いからと呼吸を控えるなどして気持ち悪くなることがあります。気になるようであれば、お互いにマスクをつけるなどすると呼吸が自由でお着付け時に困りません。

3. 水分不足・空腹

トイレが気になって水分を控えたり、着付けが苦しそうだからと朝食を抜いたりすると、貧血のリスクが高まります。

  • 朝食をいつも通りか、やや少なめにしっかり食べる:朝食は食べて行ったほうが気持ちも落ち着きますし、元気も出ます。また、途中で空腹になったときも気分が悪くなったりすることも回避できます。適度な食事(消化の良い炭水化物など)をした後であれば、胃が程よく膨らんだ状態で着付けし、時間が経つにつれて消化されることで胃が収縮した分ゆとりが生まれます。
  • こまめな水分補給を心がける

4. 長時間の立ちっぱなし

着付け中や式典の最中に立ち続けていると、血液が足にたまりやすくなります。

  • 着付け中に軽く足踏みをする:可能であれば、着付け中も少しでも足を動かしましょう。立ちっぱなしでいると血液が重力で足にたまってしまい、めまいや動機、息切れなどの不調の原因になることがあります。
  • 足の指先を動かして血流を促す:動けるタイミングがない場合は足の指先だけでも少し動かしておくと血流アップに効果的です。

5. 暑さによるのぼせ

袴の中に発熱素材のインナーを着ると、暑くなりすぎてのぼせることもございます。

  • 体温調節しやすいインナーを選ぶ:動いている内に暑くなりすぎて気分が悪くなることもございます。足元であれば、着脱できるなどインナーは自分の体調に合わせて慎重に選びましょう。
  • 可能であれば複数の先輩に体感温度確認を:経験者は適切に教えて下さいます。人によって暑い寒いの体感は様々です。暑過ぎて・・、寒過ぎて・・、という式に集中できない展開は避けたいです。

もし卒業式で立ちくらみを感じたら…

  • 無理せず、その場にしゃがみこむ
    袴姿なら、しゃがんでも目立ちません。
  • 転倒を防ぐため、ゆっくり座る
    立ちくらみがあるときに無理に動くと、転倒のリスクが高まります。
  • 周囲に助けを求める
    先生方や周りの友人は、助けを求められても負担には思いません。遠慮せず、すぐに伝えましょう。

「お着物=貧血、立ち眩み」という事はございません。

お着物は「苦しいもの」ではなく、工夫次第で快適に着こなせます。宜しくない言葉は強調されて広く広まりがちですが、多くの場合、「お着物=貧血、立ち眩み」という事はございません。事前の準備と対策をしっかり行い、素敵な卒業式を迎えられてくださいね。

思い出深い袴姿となりますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。